おばあちゃん、頑張って [お話]
ある夏の日のことです。
森の病院にシマネコのお母さんと女の子が駆け込んできました。
シマネコのお母さん「すみません、こちらに母が運ばれたと聞いたんですが。」
ウサギの看護婦さん「はい、いま治療が終わったところですよ。」
シマネコのお母さん「お母さん!どうしたの大丈夫?」
シマネコの女の子「おばあちゃん、しっかりして!」
シマネコのお母さんはお医者さんの説明を聞いています。
クマのお医者さん「お母さんは階段で転んで足を骨折したんですよ。しばらくは不自由な生活になりますが、リハビリを頑張りましょう。」
シマネコの女の子「おばあちゃん、かわいそうに…。」
シマネコのおばあちゃんは一人暮らしです。
毎日シマネコのお母さんと女の子はおばあちゃんのお世話に通いました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、具合はどう?」
おばあちゃんは相変わらず元気がありません。
シマネコの女の子「おばあちゃん、今日は仕立て屋のおばさんも来てくれたよ。」
ウサギの仕立て屋さん「先生、私ですよ。早く元気になってください。」
それでもシマネコのおばあさんはかすかに返事をしただけです。
シマネコのお母さんは介護に疲れてしまいました。
シマネコのお母さん「洋裁の愛弟子のあなたを連れていけば少しは元気を出してくれると思ったんだけど。お母さんはずっとあの調子なのよ。」
ウサギの仕立て屋さん「普段から活動的な方だったからご自分の状態が受け入れられないのよ。」
シマネコのお母さん「先生はリハビリをすればまた歩けるようになるって言うのにお母さんは全然やろうとしないのよ。ずっとぼんやりと寝ているだけで。あれじゃよくなるどころか寝たきりになってしまうわ。まだまだお母さんには元気に長生きしてもらいたいのに。」
ウサギの仕立て屋「私も先生にはまだ教えてもらいたいことがたくさんあるわ。前のような先生に戻ってもらうにはどうすればいいのかしら。」
お母さんと大好きな仕立て屋のおばさんが泣いているのを見てシマネコの女の子は決心しました。
シマネコの女の子(私がおばあちゃんを元気にして見せるわ。)
それから毎日シマネコの女の子はおばあちゃんを車いすに乗せて散歩に連れ出すようになりました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、もうすぐハロウィンよ。街はハロウィンの飾りつけでにぎやかね。」
女の子がそういうとおばあちゃんは飾りをじっと見ました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、覚えている?おばあちゃんは私にハロウィンの衣装を作ってくれるって言ったのよ。」
シマネコのおばあちゃん「あぁ、そうだったね。おばあちゃん、こんなことになっちゃってお前の衣装はもう作ってあげられないよ。ごめんね。」
シマネコの女の子「おばあちゃん、そんなこと言わないで!約束したんだから、今年じゃなくても来年でもいいから絶対に作ってね。私待っているんだから!」
女の子が泣きだしてしまうとおばあちゃんはそんな女の子の頭をやさしくなぜてくれました。
その日からおばあちゃんは真面目にリハビリをするようになりました。
そんなある日、シマネコの女の子がおばあちゃんに呼ばれました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、どうしたの?」
するとおばあちゃんが車いすから降りて松葉づえで歩いていました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、自分で歩けるようになったの?」
シマネコのおばあちゃん「そうだよ、まだ杖は必要だけど、おばあちゃん、リハビリ頑張ったんだよ。おばあちゃんが頑張れたのもお前との約束があったからだよ。」
そういうとおばあちゃんは女の子にドレスを見せてくれました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、これ作ったの?」
シマネコのおばあちゃん「おばあちゃん、足をけがしているからミシンは踏めなかったんだけど、編物は出来たからね。」
それはニットのハロウィンドレスでした。
シマネコのおばあちゃん「ほら、着てごらん」
ドレスはシマネコの女の子にぴったりでした。
シマネコの女の子「かわいい!3段フリルのスカートがすてきだわ。」
シマネコのおばあちゃん「お揃いのボレロもあるんだよ。」
シマネコの女の子「おばあちゃん、約束通りにドレスを作ってくれてありがとう。」
シマネコのおばあちゃん「こちらこそ、おばあちゃんにやる気を起こさせてくれてありがとうね。」
元気なおばあちゃんに戻ってくれたことがドレスよりもずっとうれしいシマネコの女の子でした。
おしまい
森の病院にシマネコのお母さんと女の子が駆け込んできました。
シマネコのお母さん「すみません、こちらに母が運ばれたと聞いたんですが。」
ウサギの看護婦さん「はい、いま治療が終わったところですよ。」
シマネコのお母さん「お母さん!どうしたの大丈夫?」
シマネコの女の子「おばあちゃん、しっかりして!」
シマネコのお母さんはお医者さんの説明を聞いています。
クマのお医者さん「お母さんは階段で転んで足を骨折したんですよ。しばらくは不自由な生活になりますが、リハビリを頑張りましょう。」
シマネコの女の子「おばあちゃん、かわいそうに…。」
シマネコのおばあちゃんは一人暮らしです。
毎日シマネコのお母さんと女の子はおばあちゃんのお世話に通いました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、具合はどう?」
おばあちゃんは相変わらず元気がありません。
シマネコの女の子「おばあちゃん、今日は仕立て屋のおばさんも来てくれたよ。」
ウサギの仕立て屋さん「先生、私ですよ。早く元気になってください。」
それでもシマネコのおばあさんはかすかに返事をしただけです。
シマネコのお母さんは介護に疲れてしまいました。
シマネコのお母さん「洋裁の愛弟子のあなたを連れていけば少しは元気を出してくれると思ったんだけど。お母さんはずっとあの調子なのよ。」
ウサギの仕立て屋さん「普段から活動的な方だったからご自分の状態が受け入れられないのよ。」
シマネコのお母さん「先生はリハビリをすればまた歩けるようになるって言うのにお母さんは全然やろうとしないのよ。ずっとぼんやりと寝ているだけで。あれじゃよくなるどころか寝たきりになってしまうわ。まだまだお母さんには元気に長生きしてもらいたいのに。」
ウサギの仕立て屋「私も先生にはまだ教えてもらいたいことがたくさんあるわ。前のような先生に戻ってもらうにはどうすればいいのかしら。」
お母さんと大好きな仕立て屋のおばさんが泣いているのを見てシマネコの女の子は決心しました。
シマネコの女の子(私がおばあちゃんを元気にして見せるわ。)
それから毎日シマネコの女の子はおばあちゃんを車いすに乗せて散歩に連れ出すようになりました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、もうすぐハロウィンよ。街はハロウィンの飾りつけでにぎやかね。」
女の子がそういうとおばあちゃんは飾りをじっと見ました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、覚えている?おばあちゃんは私にハロウィンの衣装を作ってくれるって言ったのよ。」
シマネコのおばあちゃん「あぁ、そうだったね。おばあちゃん、こんなことになっちゃってお前の衣装はもう作ってあげられないよ。ごめんね。」
シマネコの女の子「おばあちゃん、そんなこと言わないで!約束したんだから、今年じゃなくても来年でもいいから絶対に作ってね。私待っているんだから!」
女の子が泣きだしてしまうとおばあちゃんはそんな女の子の頭をやさしくなぜてくれました。
その日からおばあちゃんは真面目にリハビリをするようになりました。
そんなある日、シマネコの女の子がおばあちゃんに呼ばれました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、どうしたの?」
するとおばあちゃんが車いすから降りて松葉づえで歩いていました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、自分で歩けるようになったの?」
シマネコのおばあちゃん「そうだよ、まだ杖は必要だけど、おばあちゃん、リハビリ頑張ったんだよ。おばあちゃんが頑張れたのもお前との約束があったからだよ。」
そういうとおばあちゃんは女の子にドレスを見せてくれました。
シマネコの女の子「おばあちゃん、これ作ったの?」
シマネコのおばあちゃん「おばあちゃん、足をけがしているからミシンは踏めなかったんだけど、編物は出来たからね。」
それはニットのハロウィンドレスでした。
シマネコのおばあちゃん「ほら、着てごらん」
ドレスはシマネコの女の子にぴったりでした。
シマネコの女の子「かわいい!3段フリルのスカートがすてきだわ。」
シマネコのおばあちゃん「お揃いのボレロもあるんだよ。」
シマネコの女の子「おばあちゃん、約束通りにドレスを作ってくれてありがとう。」
シマネコのおばあちゃん「こちらこそ、おばあちゃんにやる気を起こさせてくれてありがとうね。」
元気なおばあちゃんに戻ってくれたことがドレスよりもずっとうれしいシマネコの女の子でした。
おしまい
2012-10-30 23:45
nice!(0)
コメント(2)
可愛い~~~!!(≧▽≦)//
ハロウィンのドレス、あやけいさんが作られたのね!
本当によく似合う♪
おばあちゃん、お元気になって良かったです(^^)
長生きしてもらわにゃ~♪
by じゅりりん (2012-11-01 18:38)
じゅりりんさんへ
ハロウィンドレス、結局自分で適当に編みました。
もっと細い糸で編まなきゃ細かい飾りはできないね。
シルバニアは小さいから難しいわ。
by あやけい (2012-11-10 21:59)